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「オランダの光」
11月3日からいよいよ公開されるこの映画。
楽しみ楽しみ



拙掲示板でこの映画の存在を教えていただいたのが
確か今からおよそ一年前。
その時は日本での公開は未定だったと記憶している。

「観られない」となると無性に観たくなるのが人の心理。
(また、見てはいけないと言われても、よけいに見たくなる)

それにしても、この映画。着眼点がとっても良い。
DUTCH LIGHT - HOLLANDS LICHT
「オランダの光」


オランダの光だからこそ、話として成り立つ。
他の国、地域に「〜の光」ってあてはめてみると・・・・・・・・・

「アメリカの光」これじゃイケイケで雰囲気のかけらも感じられない。
「イギリスの光」これじゃいつになったら撮影できるか分からない。
「東欧の光」これじゃ何やら政治的な雰囲気漂ってきてしまう。
「中国の光」これじゃ光差し込む前にブーイング浴びそう。
「オーストラリアの光」これじゃ紫外線強すぎる。
「インドの光」これじゃ悟りが開けてしまいそう。



加藤周一氏が一年前にこの映画について述べていらっしゃった。
「この湿りを帯びて透明な空気」はどこにでもあるのではない。京都の空気は湿りを帯びているが、透明ではない(春の霞、秋の霧)。南仏アルルの空気は透明だが、湿ってはいない(ファン・ゴッホの燃える太陽)。その京都の光は蕪村の、アルルの光はファン・ゴッホの、デルフトの光はフェルメールの風景画を生んだにちがいない。しかし17世紀の西洋で光を画面にとらえるために独特の手法を洗練したのは、フェルメールやロイスダールの世代のオランダの画家だけではなかった。彼らよりも早くフランスではドゥ・ラ・トゥールが蝋燭の火にかざす手を描いていたし、「ローマの光」に魅せられたクロード・ロランはその神話的風景画において逆光の効果を究めていた。レンブラントが「スポット・ライト」を駆使していたことはいうまでもない。レンブラントはやがて全ヨーロッパを圧倒するに至るだろうオランダ絵画のほとんどすべての特徴を、余すところなく予言してさえもいた。
そうなんだ、そうなんだ。
何処にでもありそうでない光。
何処でもよさそうでここでなければならない光。
それが「オランダの光」

フェルメールの傑作中の傑作「デルフトの眺望 View of Delft」
画面の上部三分の二を「オランダの空」が占めています。
そこには「光」と共に「雲」も巧みに描かれ、配置されています。
降り注ぐ光は粒となって建物や船のへりで輝きを放っています。

私はこの作品を実際に観るまで、はっきり言ってイメージがわかず
果たしてこれがそれほどまでの傑作なのか?と多少疑念を抱いていた。

ところが、この「デルフトの眺望」と
1998年7月にオランダ、マウリッツハウス美術館で対面して
その疑いは心の中の雲と一緒に吹き飛んだ。

そして心の中はまるで台風が過ぎ去った後の澄み切った
チリ一つない世界のように爽快な気分になっていた。
その時の拙い感想がある。。。

 (略)もし、この絵に「雲」が描かれていなかったならどうでしょう?前面に押し出した圧倒的な存在感を示し、また、河面や中央奥の建物に降り注ぐ光をたくみにあやつり、そしてオランダ特有の空模様を表現している「雲」。この絵の主役はこの「雲」だと思いました。
 アムステルダム近郊の町、ザーンセ・スカンスを訪れた際、ザーン川を挟んで見た風車小屋や建物が、場所は違いますが、まさにこの作品に表わされている雲中心の風景そのものでした。
 実際、オランダに今回来るまでは、この作品の雲の低さが、少し気になってはいました。でも、この目で確かめて初めて理解できました。これこそフェルメールが暮らした「オランダの空」なのだと。
 写真というものが、現在のようになかった時代ですが、この作品に表わされている風景は写真以上に現実のそれに近いものであったのだろうと、オランダの空を見て確信できた気がしました。(略)


上映時間1時間34分のこの映画。果たしてどんな光を見せてくれるのか。
今から11月3日が待ちどおしい。
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はじめまして!
トラックバックで、この映画のことを紹介してくださって、ありがとうございます。この映画、私がオランダにいるときに封切りされていました。私の油彩画の先生が、翻訳に関わっておられるんです。が、先生いわく「オランダ語で聴いても、わかんないでしょうね・・・」。それで、しょんぼりして、観ないでいたのです。が、日本で上映♪・・・広島にも来るかなあ・・・???
ウルトラ・シンデレラ | 2004/09/10 16:22
@ウルトラ・シンデレラさん
コメントありがとうございます。
オランダにお住まいでしたら、きっとこの光
理解できますよね。緯度の違いもあるかもしれませんが
日本とは絶対光、雲、空が違いますからね。
ちょっと難しそうなドキュメンタリー映画ですが
11月になれば落ち着いて観にいけそうなので楽しみです。
Tak管理人 | 2004/09/10 20:31
こんばんは。
TBありがとうございました。

私もすごく楽しみにしています。
実は、かなり前に、日本では
映像業界だけでは、放映されていたのです。
でもちゃんと一般公開されるようで・・・
よかったです。
でも、たぶん東京都現代美術館内のみの
公開だと思います。

ところで・・・Takさんのところ・・訪問してみたら
なにやら、興味深いものばかり^^
また、ゆっくりお邪魔しに参りますね。
Moebon | 2004/09/11 03:17
@Moebonさん
コメントありがとうございます。
昨年でしたか?放映されたのは??
でもよかったです。ちゃんと放映されること決まって。
フェルメールの後押しもあったのでしょうか?

恵比寿だけでなく全国で…と思いますが
無理なんでしょうかね、やっぱり。

拙いサイトですが、是非また遊びに来て下さい。
宜しくお願いします。
Tak管理人 | 2004/09/12 12:34
はじめまして、こんにちわ、ベスの親父と申します。私も約1年前に映画「オランダの光」のことを新聞記事(朝日)で知りました。その後、関連情報を追いかけるうち、たまたま今年5月に富士写真フィルム・ホールでの試写会を見る機会に恵まれました。

しかし、1回だけの鑑賞の機会ではとても物足りなく思っておりましたので今回の上映プランを知り嬉しくなりました。

実は、1〜2年前のことですが、なぜか急にオランダに関心が引き寄せられたため、下記のHPを作っておりました。トラックバックさせていただいた記事は姉妹編ブログのものです。
『レンブラントの眼』http://www1.odn.ne.jp/rembrandt200306/

おっしゃおるとおり“オランダの光だからこそ、話として成り立つ”と私も思っております。この点につきまして全く同感です。

これからも、オランダの光についてコツコツと楽しみながら勉強したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
ベスの親父 | 2004/10/16 10:55
@ベスの親父さん
コメントありがとうございます。
昨年ご覧になられたのですね。
また、観たくなる作品ですか。
それは、楽しみ楽しみ。

オランダには私も何年か前からやはり急に
惹かれ、興味を持ち始めました。
サッカーもオランダ代表好きです。

一度しか行ったことのない国なのですが
とても親近感を感じて止みません。
日本人のDNAの中に「オランダ好き」という
配列があるかのようです。

もうすぐ公開となります。
前売り券そろそろ買わないと!!

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
Tak管理人 | 2004/10/16 19:54
映画「オランダの光」について、前半の上映プランが下記のとおり決まったようですのでご案内します。

11/3〜12/17 東京都写真美術館(上映中)
1月下旬〜 大阪シネ・ヌーヴォ
2月中旬〜 京都シネマ
3月上旬〜 神戸アートビレッジセンター
4月上旬〜 名古屋シネマテーク
4月下旬〜 札幌スガイシネプレックス

東北、中四国、九州地域は未定です。
ベスの親父 | 2004/11/16 07:53
@ベスの父親さん
こんばんは。
最新情報ありがとうございます。
さっそくサイトにupさせていただきます。
勿論お名前入りで(^^♪

ありがとうございました!!
Tak管理人 | 2004/11/16 23:22
Takさん、こんにちは。お元気ですか?

ご無沙汰しています。ベスの親父です。

・・・イギリスの鬼才・映画監督、P.グリーナウエイ(Peter Greenaway/1942〜 )の最新作『レンブラントの夜警』(仮称)が制作中で、日本では2006年に公開予定です。

・・・P.グリーナウエイの最近作では『ピーター・グリーナウエイの枕の草子』(緒方拳、吉田日出子出演)が1997年に日本で公開され評判となりました。(残念ながらベスの親父は観ておりません)

・・・自身が画家でもあるP.グリーナウエイの映画の特色は“前衛的な夢と退廃の映像美”ということなので、どのようなレンブラント像が出来上がるのか楽しみです。

*なお、原情報は下記(↓)をご覧ください。

Movie Mail News、
http://www.moviemail-online.co.uk/newsfull/265&limit2=0

Wikipedia「Peter Greenaway」、
http://www.answers.com/topic/peter-greenaway
@ベスの親父さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

情報ありがとうございます。
グリーナウェイのDVDboxが発売になったので
それをネタにもう一つのblogに記事書きました。
http://bluediary2.jugem.jp/?day=20050219

「ZOO」からみ「フェルメール」からみです。

レンブラントのお話も小耳にははさんでいましたが
御紹介していただいたサイトを観るのは初めてです。
ありがとうございます。かなり詳しく書かれてますね。
( ..)φメモメモ

私は一度も彼の作品を観た事がないのですが
妻が一度だけ観たそうです。
感想は「悪くなかった」と言っています。

今我が家ではDVDbox買うか買うまいか
迷っているところです。

Tak管理人 | 2005/02/21 21:32
COMMENT









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